第11回目講座 フロントラインバックライン発声練習編
音の響きをコントロールするミュージカル唱法
ミュージカル唱法
一般的に聞きなれない言葉です。
しかし、ミュージカルの舞台ではこのミュージカル唱法の技術を持つ人が、舞台に立てます。
以外に知られていない事で私はいつも現場で驚きます。
ですから、この講座の受講生のあなたは、他の人よりもランクアップしていられます。
色んな意味で伝わらない言葉でセリフや歌を歌われたら・・・みていて気持ちの良いものではありませんよね。
舞台を見ていても疲れます。
ですから私たち舞台人んが習得するべき必要な技術は、
「何も考えなくても聞いていて言葉がわかる」
「力強く芯の通った声で聞こえてくる」
これこそが最も重要なのです。
ミュージカル唱法、
ミュージカル発声法は全ての演劇や全ての表現者に必要な技術でもあります。
ではどうすれば伝わる言葉が作り上げられるのか。
言葉が伝わるメカニズム
「言葉」
「文字」としての言葉と、「音」としての言葉があります。
ミュージカルでは、この「音」としての言葉を使い表現します。
人間は「音」を聴覚を使い、脳の神経細胞の伝達を使い、まず右脳が反応し、その後左脳で分析し判断します。
最初に反応するのは「右脳」です。
右脳は潜在能力、潜在意識と深く関わります。
なんとなく聞こえるものの中で、気にならないものと、気になるものがあるはずです。
聞こえて心地の良い音、クリアな音声、よく聞こえる音は、右脳が反応し、左脳の伝達が始まり、聞く体制が調います。
左脳は聞こえた音を分析し、言葉としての認識をしはじめます。
そして言葉を分析し、物語を理解し、ミュージカルの舞台全体の物語性の中に入っていく事ができます。
作品が持つメッセージ性を理解し(左脳の分析解析)、自分の心の中の想像力、現実的な経験や意識の願望など(右脳の潜在意識、想像力、イメージ)などに反応し、「感動する」経験を味わいます。
そしてその感動の経験は、右脳の潜在意識の中に深く刻み込まれ、無意識の領域での活力を生み出します。
人間は経験を積み重ね、感動の経験をするごとに能力が開花され強くなっていきます。
では、 左脳が言葉を理解理解析する際に、音が届く順番を理解しておきましょう。
音の大小を判断するのは右脳です。
言葉を立体的に言葉の立ち上がりを強く発音する事で、その強弱に対して右脳が即反応します。
そして、言葉を解析する役割である左脳が発動します。
言葉が最も伝わりやすい状態にする第一条件は強弱をつける事です。
音楽の強弱ではありません。
それ以前に言葉に強弱をつけます。
まず言葉を単語に細分化します。
セリフも歌詞も同じです。
全てを細分化した後に、その頭の部分を強く発声します。
喉に力を入れて強く発音してはいけません。
響きの場所を移動させる練習をしましょう。
口腔内には硬い部分と柔らかい部分があります。
硬いものに音が響くとよく響き、大きくなります。
逆に柔らかいものに音が当たると吸音されて小さくなります。
口腔内は小さな空間ですが、硬い部分である硬口蓋、柔らかい部分である軟口蓋があります。
強い響きを持つ発音の発声は「フロントライン」 と呼ばれ硬口蓋に声を当て、響を強くクリアなものにします。
柔らかく弱い響きを持つ発音の発声は「バックライン」 と呼ばれ、軟口蓋に声を当て、柔らかく少し小さなものにします。
伝わる言葉とは、言葉が起きている状態です。
「言葉が起きる」とは?
言葉が平面ではなく、立体的にある事なのです。
平面であるのは、強弱がなく、言葉が一つずつ区切られていない状態です。
例えば、下記の歌詞をご覧ください。
ほらみていいでしょなんてすてきなたからものみたこともないふしぎななにか・・・・
この文字をそのまま抑揚をつけずに読んでください。
意味がわからない、呪文のようになりませんか?
しかし こう読んでください
ほら みて いい でしょ なんて すてきな たからもの みた ことも ない ふしぎな なにか
少しだけ、何を言っているのかわかるようになりましたか?
では 太文字で黄色になっている部分を フロントラインに当て
青い色になっている部分をバックラインに当てて読んでみてください。
ほら みて いい でしょ なんて すてきな たからもの みた ことも ない ふしぎな なにか
少し言葉が立体的になってきましたね。
でも、頭の中で考えながら読んでいたら混乱しますね。
この響きを自由自在に瞬発的に使えるようになれば、感覚だけで使えるようになります。
この動きを自分の中にインストールする方法は、発声練習をして繰り返し肉体にプログラミングする事です。
正しい響きに当たるように何度も何度も繰り返しましょう。
感覚は右脳です。
右脳は繰り返す事で潜在意識の中にプログラムしていきます。
肉体の動きは考えていては習得できません。
習得するのは繰り返す事。
そして潜在能力にプログラムします。
そうです。
右脳は、感覚やイメージを司りますよね。
イメージしただけでその声が出るようになれば?
考えないでも歌えるようになります。
淡々と繰り返し練習する事だけがあなたの夢を叶えます。
それは、脳科学からも証明できるのです。
そして、あなたの無限の可能性である潜在能力があなたが歌うときに助けてくれます。
今回の講座では この二つの響きを最短で習得できる発声練習をお届けします。
一つずつの解説をよくお聞きになって練習してください。
繰り返し練習してください。
あなたの声がどんどん新しくなっていくことを祈りながら作りました。
わからないこと、質問はいつでもメールサポートに送ってくださいね。
あなたの夢が叶いますように。
心をこめて
SARA